インターネットで知り合ったLucasuというシンガポールの男性から、暗号通貨（仮想通貨）の短期取引の勉強を教えてもらうことになった私は、彼の教えるままに日本の暗号資産取引所のCoinchekに登録してお金を振り込み、そこから彼の用意したsaciteという海外取引所に全額を送金する手続きをしました。
saciteという取引所が偽の取引所だったということは、後になってわかったのです。現在、そのサイトはインターネット上から消えています。
Coinchekからのメール
私は「これで勉強を始めることができます。」という彼の言葉に、ワクワクした気持ちでこれからの勉強を楽しみにしていました。
ところがCoincheckのカスタマーエクスペリエンス部というところから、金融庁のガイドラインに基づき、取引の目的や資金の出どころ、ウォレットの所有者との関係などを確認したいというメールが届きました。
そこには、送金先アドレスに問題がある可能性があるため、確認をお願いしたいという内容が記載されていました。
メールの末尾には「内容の転載や公開はご遠慮ください」という注意書きがありましたので、
ここでは概要のみ記載していますが、今思えば、
Coincheckからのこの確認メールこそが「危険のサイン」だったのです。
Good morning Lucasu.
昨夜は遅くまで有難うございました。遅く寝たけれど、今朝は気分良くはじめています。心配しないでくださいね。
今、Coincheckからこのようなメールが届きました。私は今仕事中です。手間がかかりそうなので、時間のある時に確認しますが、先にあなたに知らせておきます。多分、どうしたらいいかわからないことが出て来るでしょうから。
あなたの暇な時間に確認してみて下さい。
おはようございます！ 親愛なるhatoko。
あなたは今日はゆっくり休むべきだと思います。 メールの問題はよく読んで解決します。
ありがとうございます。
どういたしまして。 昨日言いましたが、私はあなたに責任を負う必要があります。 あなたが時間がある時、私はあなたにこれらの問題を記入する方法を教えます。
Coinchekのメールの重要性に気づけなかった私
Coinchekからのメールには、
「取引資源はどこから捻出しているのか、財布の所有者は？送金先ウォレット所有者との関係は？とか、取引の経緯や目的などあれこれ確認する内容に記述して返信するように」
というような内容が丁寧な文で記載されていました。
その頃の私は、まだ数字とアルファベットが羅列した長い記号のようなものが、アドレスを示しているということさえわかっていない状態でした。
「送金先ウォレット所有者との関係？」「取引経緯って？」など、なんのことなのかさっぱりわからない私は、そのメールの処理の仕方をLucasuに託したのです。
hatoko、Coinchekからの質問にはこのように記入して下さい。
財布の所有者名→自分の名前
財布の所有者との関係→自分の名前
取引所名またはサービス名→https://coincheck.com/ja/
そのwebアドレス→https://coincheck.com/ja/
取引履歴→個人資産
取引目的→個人資産
まずこれに返信します。 名前を自分の名前に記入すればいいです。 他のところは私はすでにあなたの記入を手伝った。
先生、取引経緯が個人資産という回答ではおかしいです。
財布の所有者名→あなたの名前を入力します
財布の持ち主との関係→本人の財布
取引所名またはサービス名→https://coincheck.com/ja/
サービスURL→https//coincheck.com/ja/
取引履歴→デジタル通貨を購入します
取引目的→デジタル通貨の購入と保存
れでは、これに従って記入してください。
取引経緯とは取引履歴ということのようですが、それは売買の履歴ということですので、履歴は無しということではないでしょうか？
親愛なるhatoko。 私が編集した通りに記入すればいいです。 あなたの名前を追加するだけです。
わかりました。
こうして彼の教えてくれるままに記入し、Coinchekに返信することができました。
この時、彼の指示する記入の内容が何か変だな？と感じていたのですが、彼をまったく疑っていなかった私は、Coinchekから何故このようなメールが来たのか、その内容の意味さえわからず、これが詐欺への疑いを強く示してくれていたメールであることに気づけなかったのでした。
彼の優しさを信じきっていた
あなたが用意した書類も送りましたか？
はい、写真を撮って添付しました。今回も長い時間手間取らせてしまいましたね、本当に申し訳ない💦
一緒に送ったなら、 あとはメール通知を待てばいいです。
大丈夫ですよ。 投資自体が面倒です。 だから私たちはゆっくり来なければなりません。 焦らないで。
今日はきっとhatokoは疲れているでしょう。 今日は待つだけでいいです。 だからhatokoは急いでお風呂に入りましょう。
お心遣いありがとうございます。
昨日の夜は数時間しか寝ませんでしたが、今日はちょうどゆっくり休んでもいいです。
明日の夜は仕事を入れていたのを忘れていました。帰りは昨日より遅くなります。
大丈夫ですよ、毎日こんなに遅くまで働いています。hatokoの身体が心配です。
それでは今日はゆっくり休んでください。 このように明日こそ私たちは勉強する元気がある。
お風呂出ました。素直に寝ます🤭
きょうも有難うございました。おやすみなさい🌙😴
オーケー。 今日は一晩ゆっくり休んでください。 明日私たちは勉強しています。おやすみなさい、親愛なるhatoko、よく寝て。
私はいつもこのようなやり取りで、彼が本当に私の身体を気遣ってくれる優しい人だと信じきっていたのです。彼は60歳を越えた、自分の母親と同年代の私が何でそんなに頑張って仕事を続けているのか、その年代の人たちは皆年金暮らしでゆっくりしているのに、といつも心配してくれていたのでした。
「すべてが嘘ですから。」と言われた、警察の人の言葉が身に沁みます。
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