前回の記事はこちら➡[㉑]仮想通貨詐欺|資金を取り戻そうとする私の裏で揺れ続けた心
※本ブログでは、法律上は「暗号資産」と呼ばれますが、一般的に広く使われている「仮想通貨」という言葉で統一して表記しています。また、アフィリエイトリンクを使用しています。
Instagramのメッセージリクエストを受け取ったことから始まった
Lucasuという海外の人とのLINEのやり取りで、
私は海外に友達ができたと喜んでいました。
しかし、相手はよくあるSNS投資詐欺を私にしかけてきて、
私はいつの間にか相手の罠にはまってしまったのでした。
私が彼の用意した海外の偽取引所に送ってしまった資金は、合わせて110万円。
後に消費者センターの人は
「まだ、それくらいの金額で良かったですよ。」
と言いましたが、私にとっては無いお金を無理に作ってのこと、大金です。
そんな中で、支払いに困るから少しでも引き出したいと彼に話をし、
10万円は引き出すことができました。
相手が詐欺師だとはっきりわかったのは、その後のことでした。
年金の話? 彼の計画とは?
暗号通貨短期取引を彼に教えられるままにして、
偽取引所の私の口座には270万円ほどの資金が数字で残っていました。
その中の自分の出したお金、100万円だけはなんとか取り戻したいと思い、
彼が詐欺師だとわかってからも、気づかないふりをしてLINEのやり取りを続けていました。
そして、丁度その頃に孫娘が難病に罹ったようだということを知り、その治療費にお金が必要だからという理由で、なんとか残りのお金を引き出せないかと考えたのです。
彼は孫娘の病気を、とても心配してくれていました。

きょうは時間があります。
hatokoのお孫さんが病気だと聞いたので、
あなたの今後の計画についても考えてみようと思っています。

それはどういうことですか?
何を計画するのですか?

お孫さんの現在の容態がわからないからです。
もし多額の資金が必要になるようであれば、
暗号資産で対応できるかもしれません。

暗号資産を使うのですか?
それは現金に換えるということでしょうか?

当初の目標は、hatokoに1000万円を稼がせることでした。
そうすれば、あなたは生活上のプレッシャーも軽減されるはずだったからです。
でも、今となってはそれは少し難しいようです。
私は少し前に、Lucasuから更に資金を用意したらもっと利益が出る、と勧められていました。

はい、確かに今の私にとって、
さらに資金を調達するのは難しいことです。

hatokoは今、いくら用意できますか?
何か力になれるか見てみます。
「いくら用意できますか?」とは…?
私がこれほどお金の用意はできないと伝えているのに、
なぜLucasuはそんな話をするのだろうかと、少し不安になりました。

あれ以来いろいろ考えてみましたが、
もうどこからも借りられそうにありません。
実のところ、今は手元にあまり現金が無いので、
これからの生活も厳しい状態なのです。

日本でも年金制度があるのではありませんか?
私の国でも、そうであるように。
私も従業員のために保険を支払っていますよ。
それによって、従業員は一定の年齢に達したら、年金を受け取ることができるようになります。
そうか、Lucasuは私の年金をあてにしているのかもしれない。
何か愕然とした気持ちになりました。

それはどういうことですか?
年金は正社員であれば会社がその一部を負担してくれますが、
そうでなければ全額自己負担となります。
それに満額納められなければ、受け取る年金はわずかしかありません。
私の年金は取るに足りないほどのものです。

日本で生活していく上で、政府を頼りにすることはできないようですね。
やはり、自分の力に頼る必要があります。
自分自身が強くいられることこそが、真の強さです。

そうかもしれませんね。
Lucasu、ごめんなさいね。
あなたの気持ちを重くしてしまって。
明日、病院で検査してみないことには、
どうなるかわからないことですし
きょうはもう遅いので寝ますね。
おやすみなさい。

わかりました。
明日の検査の結果は、必ず知らせてくださいね。
すべて順調にいくことを願っています。
おやすみなさい、hatoko。
本当に孫を心配してくれているようにも思えました。
その一方で、さらに私からお金を引き出そうとしているのではないかという疑いも消えませんでした。
そんな思いもあって、私はその夜も不安を抱えたまま眠りました。
お願い、あのお金を使わせて
翌日、孫と大学病院で検査を受けましたが、
検査結果がすべて当日にわかるものでもなく、
その日の検査結果では、やはり膠原病などの自己免疫疾患や
自己炎症性疾患などの可能性も念頭に置く必要があるとのことでした。
ただ、白血病ではないことは確かだ、と言ってもらえてほっとしました。
(後の検査で、難病の仲間ではあるけれど、
適切な治療と定期検診で普通の生活が送れるとのことでした)
そして彼に検査結果と医師の話を伝えました。

hatoko、医師からの最終結果を待って下さい。
きっと解決策はあるはずです。

孫は、大学病院で検査するのはこんなにも時間がかかり、
お金もかかるのだから、もう検査はしたくない、と言っています。

医療費は政府がなんとかしてくれるのではないのですか?

高額な医療費を負担した人には補助が出るかもしれませんが、
お金が無ければ検査も受けられません。

私たちは自分たちの能力しか頼れないようです。

Lucasu、暗号資産を現金にできませんか?
孫に検査を受けさせるどころか、自分自身の生活費すら無い状態なのです。
先月、回せるお金はすべてそこに注ぎ込んでしまったから。
私は思い切って、お金を引き出すことを持ち掛けてみました。

お孫さんがお金を必要としたら、私たちは何をすべきでしょうか?
その夜、彼が孫の病気を心配してなんとかしてくれようとしている、そう願っていました。
そして正直に自分のお金の事情を話しました。

Lucasu、私は何度もSaciteプラットフォーム(偽取引所)を開いてみました。
そこには多額の資金があるようですが、それは私のお金ではありません。
あなたが稼いだお金です。
私はただ、あなたの言う通りにしていただけですから。
だから、たとえそれが私のお金だと言われても、
すべてを受け取るわけにはいかないと思っていました。
でも、もし少し余分にいただいても本当に良いのなら、
そのお金は息子のために使おうと思っていました。
あなたが私の生活を楽に、そして自由にしてあげようと
気遣ってくれていたのはわかっています。
でも、私は息子を助けたかったのです。
あなたと同じように、
私の息子もまたあのコロナ禍で大きな打撃を受けました。
あなたと出会う前、私が用意できたお金はすべて息子に渡しました。
あなたのご両親があなたにしたことと同じです。
子供が幸せでなければ、親は幸せにはなれません。
母親ならなおさらです。
だから、暗号通貨の短期取引というものを学んで、
得られた利益を息子に回したかった。
でも、孫娘が今このような状況にあるのなら話は別です。
何よりもまず、孫を助けなければなりません。
Lucasu、お願いがあります。
あのお金を使わせてください。

hatokoが今とても不安に思っていることは分かっています。
そのお金はあなたのものです。
だから、あなたはいつでも好きな時にそれを引き出すことができますよ。
この時、私は彼に
「ありがとう、涙が出そうです。」
とメッセージを送っていました。
やっぱり、私の力になってくれる人なんだと一時的に気持ちが揺らぎました。
全額引き出しで手数料7%!あらわになる詐欺の手口
そしてその翌日の夜、本当にSaciteプラットフォームから全額をMetaMaskに移す手順を教えてくれたのです。
ただ、当時のLINEのやり取りを見直してみると、
この時彼から何故か何度も何度も
「高額を引き出す時には、取引所に手数料を支払わなければならない」
という内容のメッセージが繰り返し送られて来ていました。
翻訳文がおかしいのか、まるで業務連絡のようなメッセージもあり、
いつもの彼らしくありませんでした。
今思えば、もしかしたら複数犯だったからかもしれません。
また、私は彼に全額はいらないから、
100万円だけでいいからということも何度か伝えていたのに、
実際は全額引き出しとなって、
資金が270万円だから手数料は7%、およそ20万円ですね、
と言ってきたのです。
驚きました。
手数料を先に振り込まなければお金は移すことはできない、
というSaciteプラットフォーム側からのメールも届きました。
しかも3日以内に振り込むようにと。
期限を過ぎても支払われなければ、口座と資金は一時的に凍結され、
毎日5%の延滞金が生涯発生する!と脅し文句で締めくくられていました。
20万円の手数料。
それさえ支払えば、全額あなたのものだから…。
早く口座に振り込んで。
とLucasuは何度も簡単に言って来ました。
引き出したいけれど、20万円なんてお金は用意できないし、
手数料を払ったところで、資金が戻ってくることは無い。
だいたい、手数料を支払う口座や支払い方法がどこにも記載されていないのです。
もう十分にわかった。
これが詐欺であることはもうわかっていたはずでした。
仮想通貨詐欺|クライマックスでわかった自分の気持ち
「やっぱり詐欺だったか…。」
これまで何度もそう思い、何度も打ち消して来たけれど、
ここまできたらどうにもなりません。
私はしばらく考えました。
彼に何と伝えればいいのだろう。
もう詐欺だと確信したことを、どう伝えればいいのだろう。
しばらく考えた末、最後に長いメッセージを送りました。

親愛なる友人であり、先生でもあるLucasuへ。
あなたは最後まで私の先生であり、私はあなたの生徒でした。
あなたはとても根気強く私に教えてくれました。
私たちが友人として接していた時も、あなたはいつも私のことを気にかけてくれましたね。
あなたとおしゃべりした時間はとても楽しく、私を幸せにし、笑顔にしてくれました。
時には、あなたから何かを学んで、胸が痛むこともありました。
あなたと過ごした時間を無駄だったとは思いません。
それはきっと、最初からあなたのことをわかっていたからでしょう。
神様は何度も私に警告を発していましたが、私はそれを知りながらも、あなたを選びました。
あなたが私を心配してくれたように、私もあなたを心配していました。
あなたには幸せになって欲しいと願っています。
私のせいで、あなたを罪人にさせたくはなかったのです。
だからこそ、どうすべきかずっと考えてきました。
私は常に真実を話してきました。
孫娘の病気のこと、息子の借金のこと、そして私自身にお金が無いこと。
時には、あなたの本当の気持ちが痛いほど伝わってくることもありました。
だからこそ、あなたには幸せになってほしいのです。
幸せとは、誰かに与えてもらうものではありません。
いつか突然訪れるものでもありません。
それは、心が感じるものなのです。
あなたに出会えて、私は幸せでした。

親愛なるhatoko。
あなたが本当のことを言っているのは分かっています。
それに、私はあなたを騙したわけではありません。
ずっとあなたを助けたいと思っていました。
ただ、あなたは今、諦める道を選んでしまった。
実は、この時の彼の言葉を、私はずっと後まで引きずっていました。
「あなたを騙したわけではない。
あなたが諦める道を選んでしまった。」
Instagramのアカウントのところに書かれた彼のメッセージが頭をよぎります。
「努力をすれば必ず報われるわけではない。
しかし、努力することを止めれば必ず失敗する。」
私が諦めたのだろうか…。
彼はやっぱり私を助けようとしてくれてたのだろうか…。
そんな思いが、何度も何度も思い起こされ
しっかりと吹っ切っることができるまでに、かなりの時間を要しました。
この日を最後に、Lucasuからの連絡は途絶えました。
数日後、彼はLINEのトークルームからも消えていました。
私は今でも、彼を恨んでいません。
この私が残した彼への最後のメッセージを読み直して、
今、ああそうだったと思い出したことがあります。
このような詐欺の形をロマンス詐欺というらしいのですが、
私は母親のような気持ちで彼のことを心配していました。
今思えば、それもロマンス詐欺の心理誘導だったのでしょう。
それでも当時の私は、本気で彼の人生まで案じていました。
本当にこれが詐欺なら、これはいけないことだと早く気づいて欲しい。
あなたのご両親が知ったらどれほど悲しがるかをわかって欲しい。
私はあなたのことを悪人だと思ってはいない、
私のために罪人にしたくはない。
そんなふうに思いながら私は過ごしていたのです。
仮想通貨についても、もっともっと学びたかった。
詐欺に対しても、仮想通貨にしても、自分があまりにも無知だったために
こんなことになってしまいましたが
少しでもそれらの知識があったなら、もっと違った進み方があっただろうと思います。
知識は、自分のお金を守るだけではありません。
大切な家族や、自分自身の心を守る力にもなるのだと、私はこの体験で学びました。
私のこの体験が誰かの助けになり、役に立てたら幸いです。

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